2011年12月9日金曜日

Mac OS を英語環境にしたらアプリ文字化け→解決

英語苦手って前回書きましたが、一念発起、Lionの基本言語を英語にしました。
環境設定の言語から出来ます。

で、しばらくイイ気になって使ってたんですが、Illustrator CS5を起動したときにエラーが表示され、メニューが?に文字化けしてしまいました。

ぐぐってみると日本語版のOSを英語環境にして、そこで日本語版アプリケーションを起動したときに起こることがあるようです。
ちなみに僕の環境では Photoshop CS5では起こりませんでした。

解決策を調べると、下記の方法がうまくいきました。感謝!!
Mac版illustrator CS5 + システムの言語が英語の時に正常に起動しない件 - Playground of Mine

OSX 10.6以降では、通常の設定変更等では解決できなくなっているようで、Language Switcher.appというアプリケーションを利用することになります。
Language Switcher

2011年12月7日水曜日

Macで論文をまとめる文献管理ツール

論文をまとめたり、引用を作ったり、面倒ですよね。
そこらへんのメンドクサイことはどうにかササッとやってしまいたい。

ということで、お勧めの文献管理アプリケーションをあげます。
タイトルではMacと書きましたが、どれもWindows、Mac両方で使えます。

2013年11月13日追記
調べた範囲で各ツールの違いをまとめてみました。readcubeの設計は他2つと異なるようなので機能的には劣っているように見えますが、「論文を探して読む」ということだけに関しては優れていると思います。意外と(?)TogoDoc Clientも健闘しています。
Mendeley readcube TogoDoc Client
ウェブブラウザからのインポート
(ブックマークレットの有無)
×
ウェブ版の有無 ×
ローカルアプリケーションからの論文検索 *1 ×
同業者グループのコミュニケーション *2 × ×
Recommendation機能
(Related Articlesとは別)
×
PDFファイルのリネーム ×
論文情報の修正 ×
iOSアプリ ×
*1 Mendeleyに登録されている論文は検索可能。どのような論文が登録されているかは未調査ですが Google Scholar, Pubmed, Microsoft Academic にアクセスできるreadcubeには敵わないように思います。
*2 自由度の高いコミュニケーションではなく、論文ベースの情報共有といった感じです。

以下、それぞれの説明です。

1.Mendeley - 科学の未来はMendeleyが担う(かも)

http://www.mendeley.com/
現状、もっとも良さそうなツールです。
文献管理はけっこう既に色々あって、ローカルに保存してるPDFとかをインポートして自動的に解析し情報をまとめてくれたりするんですが、そんなことはもちろんMendeleyでも出来ます。
Mendeleyが素敵なのは、ある論文についてソーシャルネットワークサービスのような仕組みを使ってウェブ上で研究者同士でコメントしたりできる点です。(追記:これは間違いではないのですが、どうも私の勘違いも多分にありまして、自由度の高いコミュニケーションではなかったようです。グループを作ってPDFをベースにして論文情報や注釈を共有することができる程度です。PDFに付加するコメントがベースなので深いディスカッションができるかどうか…。どちらかと言えば、音楽で「みんな何聴いてる?」というのが分かるサービスに似ています。つまり、Mendeleyは専門領域が近い研究者たちがどんな論文を読んでいるのかが分かるサービスを兼ね備えた文献管理ツールです。)

Mendeleyの取り組みについてはWIREDで物語風に紹介されています。
News Long Story Wireless Social Media Clip to Evernote top - Business - Long Story 知のシェア – 学術論文における理論と実践(その1) from 『WIRED』VOL.2 
2011年12月8日現在Vol.3まで読めますが、読みごたえがありつつ、Mendeleyの取り組みの先見性には驚きます。 
正直、これを世界中の研究者が使い始めたらおそらくもっと科学の発展するスピードは早くなるでしょう。だって、これまである文献について何か考えても、ラボメンバー以外の誰かとディスカッションしたくてもなかなか出来ませんでしたからね。話したことのない同業者とコミュニケーションをとれる(かもしれない)ツールがあるのは素晴らしいです。おそらく、これまでの研究者だけのSNSや掲示板等の小規模のウェブコミュニティはありましたが、文献と密接に連携したサービスはこれが初めてです。研究はやはり論文がベース。Mendeleyは科学者同士のコミュニケーションを一変させる可能性を秘めています。
使い方を日本語で説明していただいているサイトがありました。感謝です。
Mendeleyの使い方 from 水の中が落ち着く

(2013年1月16日追記)
筑波大学のサイトにかなり詳細な日本語マニュアルがありました。
http://library.k.tsukuba-tech.ac.jp/ori/Mendeley.pdf

なお、Mendeleyは次のreadcubeやTogoDoc Clientのようなrecommendation機能はありません。ブラウザからmendeley.comに行って、mendeleyに保存されているPaperであればRelated Papersは表示されますが、これはひとつの論文ごとに表示されますから自分のライブラリに照らし合わせて網羅してくれる訳ではありません。また、アプリケーション内からはRelated Papersも表示されません。
またPDFも多くはウェブから自分でダウンロードして、それをアプリケーションに追加する操作をしなければなりません。中には自動的にダウンロードしてくれる場合もあるのですが。ウェブサイト側の形式によるのでしょう。readcubeならほとんどワンクリックでダウンロードできるのにな…。

(2013年11月13日追記)
論文中心のコミュニケーション、という意味では(まだ調査が必要ですが)ResearchGateやAcademia.eduなどが十分にその役目を果たしそうです。文献管理ツールにSNS的要素が必要なのかどうか…Mendeleyの挑戦には期待しつつも、やはりSNSはSNSのみで成立するような気もしています。

2.readcube - グッドデザイン賞(個人的)

http://www.readcube.com/
Nature Publishing Group(NPG)との提携もあり、出てきたばかりなのに既に「スタンダード」になりそうなツールです。ネット上でも「キラーアプリになるか」と言われているようです。
デザインが秀逸で、ほとんど操作がわからないという瞬間がありません。よく考えられたインターフェースです。
文献検索(PubMed, Google Scholar)もアプリ内で可能で、取り込みも一発。MendeleyのようなSNS的機能はありませんが、そんなのなくて良いという人には最上の選択肢でしょう。

(2013年1月16日追記)論文執筆の際に必要なCitationのエクスポートがEndnote, BibTex, RefManだけになっており、単純にテキストで吐き出すことができません。なんでだろう…。

(2013年11月13日追記)私の思い違いもあって「Mendeleyがベスト!」みたいな書き方になってましたが振り返ってみるとそうでもなかったので一長一短ですね。結局、Mendeleyは同業者が読んでいる論文が個人ベースで分かるサービス、readcubeはアルゴリズム的に関連論文を推薦してくれるサービス、ということでしょうか。人か機械か、という二分は極端かな、でもそんな印象です。もしかしたらreadcubeの推薦機能も人手なのかもしれないけど。あまりそのあたりは詳しくないので漠然とした言い方ですが。

3.TogoDoc Client - 国産のメリット

http://tdc.cb.k.u-tokyo.ac.jp/
これは僕がアルバイトしてるDBCLSで作られたものです。パッと見は上2つに劣りそうなんですが、機能的にはほぼ同じことができます。
一番の強みは、日本語であることです。・・・まぁ英語苦手な僕にとっては、ですね。
それと、iPhoneアプリがあります。(Mendeleyにもありますが、readcubeにはiPhoneアプリはありません)
あまり時間をかけたくない文献管理には、日本語であることが意外と一番のメリットかもしれません。


それにしても5年前とかにはこんなアプリケーションなんて1つもなかったのに、ほんと便利になりましたね。EndNoteとかどこ行ったんだ…。いや、今でも多分シェアはトップだろうとは思いますが、上記のようなアプリ/ツールに取って代わるのは時間の問題だと思います。